オートミールは、低カロリーで高たんぱく、食物繊維が豊富で栄養価も高く、健康・美容・ダイエット食としても人気の健康食品です。
白米・パンなどの精製食品よりも糖質の量が少なく、血糖値が上がりにくいので、肥満・糖尿病などの生活習慣病予防のための食事として取り入れたい食材のひとつです。
生活習慣病は国民病とも呼ばれ、その人数は年々増加傾向にあります。
生活環境の変化に伴って、食生活が大きく変化したことが増加の一因といわれています。
肥満・糖尿病など生活習慣病の予防・改善において「栄養・食生活」は一つの大きなテーマです。
その一つの解決策として、健康効果のあるオートミールがあげられます。
今回はオートミールと血糖値の関係、糖尿病の予防・改善、正しい食べ方について調べてみました。
1. 血糖値と血糖値スパイク
高血糖・血糖値スパイク(急上昇)を抑えるのに一番大切なのは、普段の生活習慣を変えることです。
特に、食事の改善は基本中の基本でとても重要です。
まずは、血糖値が上がる仕組みを理解しましょう。
・血糖値とは
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことをいいます。
食事をすると、白米やパンなどの炭水化物が消化吸収されブドウ糖となり血液に入ります。
そのため血糖値は健康な人でも食前と食後で変動します。
低すぎると低血糖、高すぎると高血糖を引き起こします。
・血糖値の仕組み
白米やパンなどの炭水化物を食べると、まず、口の中で咀嚼(そしゃく)により分解されます。
次に食道・胃を通り、最後に小腸でブドウ糖に分解・吸収され、血液中に取り込まれます。
その結果、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇します。
血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇すると、それに反応してすい臓からインスリンが分泌されます。
インスリンは糖をエネルギーに変換し、糖を減少させます。
これにより血糖値が低下します。
・血糖値スパイクとは
血糖値スパイクは「食後高血糖」と呼ばれ、普段の血糖値は正常で、食後の短時間のみ血糖値が急上昇する現象です。
また、一般的な健康診断では見逃されやすいため「隠れ糖尿病」とも呼ばれています。
糖尿病でない健康な人でも「血糖値スパイク」になり、放置すると、糖尿病や動脈硬化など様々なリスクを伴います。
高血糖・血糖値スパイクは、主に日ごろの生活習慣が原因です。
食事により吸収されたブドウ糖が処理しきれないことで起こります。
予防・改善において「栄養・食生活」は一つの大きなテーマです。
その一つの解決策として食物繊維が豊富なオートオートミールが注目されています。
2. オートミールには血糖値スパイク(急上昇)を抑える効果がある
オートミールは数ある食材の中でも、血糖値の上昇を抑える食品として良く知られています。
それは、オートミールにはたっぷりの食物繊維が含まれているからです。
食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2種類に分けられます。
オートミールにはこの両方がバランスよく含まれています。
特に注目したいのが水溶性食物繊維のオーツ麦β―グルカンです。
オーツ麦βグルカンは食後の糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。
・低GI食品
オートミールは血糖値が上がりにくい低GI値食品。
低GI食品とは、食後血糖値の上がりやすさを示す「GI値」が55以下の食べ物です。
このGI値が低い食べ物ほど、糖質の吸収がゆるやかになり血糖値が上がりにくくなります。
食品 | GI値 |
オートミール | 55 |
玄米 | 56 |
白米 | 84 |
食パン | 96 |
穀物に限らず、精製食品より未精製食品のほうがGI値が低いので、「白より茶色」と覚えておいて 食材や調味料を選ぶ際の参考にしてくださいね。
・セカンドミール効果
セカンドミール効果とは、ジェンキンス博士(トロント大学)が発表した概念で、最初にとった食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響を及ぼすというものです。
ファーストミールの食事内容が、血糖値の急上昇を招かなければ、セカンドミール後の血糖値上昇を抑えるとされています。 大塚製薬栄養ラボより
食物繊維を豊富に含むオートミールは、食後の血糖値の急な上昇を抑えてくれる低GI食品、ファーストミール(最初にとった食事)として最適なのです!
例えば、
朝食でオートミールを食べると、食後の血糖値の急な上昇が抑えられるうえ、次の昼食後でもその効果を得られるということです。
昼食でオートミールを食べたときも同様、次の夕食後の血糖値の上昇を抑える効果を得られます。
3. オートミールは血中コレステロール値を下げる効果がある
オートミールに含まれている水溶性食物繊維のオーツ麦β―グルカンは、コレステロール(≒ 脂肪)を吸着し体外に排出することで血液中のコレステロール値を低下させます。
さらに、ナトリウム(≒ 塩分)を排出する働きもあるので、高血圧の予防にもなります。
脂肪や塩分の多い食事を摂り過ぎることによって引き起こされる、糖尿病・動脈硬化など生活習慣病の予防・改善にも効果があるといわれています。
4. オートミールで血糖値スパイク(急上昇)を抑える正しい食べ方
・オートミールの正しい食べ方
オートミールは、水や牛乳で煮てポリッジ(お粥状)にするのが、オートミールの基本的な食べ方。
ですが、オートミールは癖がないのでいろいろアレンジしやすい食材です。
オートミールをお米に見立てて料理する米化をはじめ、スイーツやお惣菜として楽しむことも可能です。
トマトやカレーの風味や和風のだしとも好相性、和洋折衷オールマイティーに料理できます。
さらに、小腹が空いたときの間食にしたり、パン粉や小麦粉の代わりとして料理に使うなど、工夫次第でさまざまに活用できます。
オートミールは決して血糖値を上げないという食材ではありません。
オートミールは炭水化物、食べれば血糖値は上がります。
1食分の摂取量の目安は約30g~50g。
食べ過ぎに注意してオートミールを食生活に取り入れましょう。
・オートミールの取り入れ方
主食の置き換えに
日頃食べている主食(ご飯・パン・麵類)より糖質が少なく血糖値も上がりにくいので、主食の置き換えにぴったりです。
オートミールは味がない分、合わせる具材や調味料で自由に味付けできるので、飽きずに毎日食べられます。
おやつや軽食に
オートミールは食物繊維が豊富で腹もちがいいので、小腹が空いたときにもおすすめです。
フルーツやナッツを加えたグラノーラやクッキーなど、アレンジが自由自在!
料理のかさ増しに
オートミールをスープに入れて、具だくさんスープやリゾット風に。
食物繊維が豊富なオートミールが水分を吸収し、見た目もお腹も満足感が得られます。
副菜のスープがメイン料理に!
ハンバーグにパン粉を入れるような感覚で、ひき肉料理のかさ増しに。
オートミールを加えたり、代用したりすることで、食物繊維をはじめ、ビタミン・ミネラルが摂れるだけでなく、コレステロールカットもできる嬉しい一品になります。
食物繊維は、整腸作用だけでなく、血糖値上昇の抑制・血液中のコレステロール濃度の低下など、さまざまな研究で効果が示されています。
現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分です。
食物繊維を豊富に含むオートミールは、血糖値が気になる方・肥満がある方・そうでない方も、生活習慣病の予防・改善、健康維持のための食事として取り入れたい食材のひとつです。
今や、「オートミールレシピ」と検索すればたくさんのレシピが紹介されています。
是非ともオートミールを食生活に活用してください!
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