オートミールは栄養価の高い食品です。
私たちが普段食べている白米・パンなどの精製食品よりも、食物繊維をはじめとするビタミン・ミネラルが豊富に含まれ、健康食としても人気の高い食品です。
体に良いものは是非とも取り入れたいものです。
ですが、「消化が悪い」とも言われています。
オートミールを食べている人、これから食べてみようかな?気になるな?と考えている人にとって不安ですよね。
今回は、オートミールは消化に悪いのかどうか、また、その理由について解説します。
1. オートミールは消化に悪いの?
オートミールには、食物繊維をはじめとするビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。
特に、食物繊維においては、ごぼう・キャベツ・キノコなど食物繊維が多い野菜をはるかに上回る量です。
オートミールはこの豊富な食物繊維の働きによって、ゆっくり消化されるため、消化に時間がかかります。
消化に時間がかかるということは、消化されにくいということ、つまり、オートミールは消化に悪いといえます。
しかし、一言で良い悪いといってもそれぞれメリット・デメリットがあります。
オートミールは、食物繊維を多く含むため消化が悪いというデメリットがある一方、食物繊維が豊富だからこそ得られるメリットもたくさんあります。
では、食物繊維とは体内でどのような働きをするのでしょうか。
・食物繊維
食物繊維自身は体内で消化・吸収されずエネルギー源にもなりませんが、整腸作用をはじめ、健康を維持するためのさまざまな働きをしています。
食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維の2種類に分けられます。
・水溶性食物繊維の働き
水溶性食物繊維は、水分を吸収するとゲル状になり食べものを胃から腸へゆっくり移動させ、糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。
腸内では善玉菌のエサとなり善玉菌を増やし腸内環境を改善します。
また、コレステロール(≒ 脂肪)を吸着し体外に排出することで血液中のコレステロール値を低下させます。
さらに、ナトリウム(≒ 塩分)を排出する働きもあるので、高血圧の予防にもなります。
脂肪や塩分の多い食事を摂り過ぎることによって引き起こされる、糖尿病・動脈硬化など生活習慣病の予防・改善にも効果があるといわれています。
・不溶性食物繊維の働き
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の量を増やし、大腸を刺激して腸の動きを活発にすることで排便を促す働きがあります。
また、発がん性物質など有害物質を吸着させて便と一緒に体外へ排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。
以上、食物繊維は水溶性と不溶性がそれぞれ腸内で異なる働きをしています。
その作用は腸内環境を整えるほか、さまざまな生活習慣病の予防・改善にも効果があります。
食物繊維って想像以上にさまざまな働きがあるんですね‼
食物繊維の摂取はバランスが大切で、理想の摂取バランスは水溶性と不溶性がおよそ1:2の割合とされており、オートミールはこの絶妙なバランスで両方の食物繊維を含んでいます。
オートミールには豊富な食物繊維がバランス良く含まれているんですね!
オートミールは食物繊維が豊富ため、消化が悪いというデメリットがある一方、整腸作用・生活習慣病の予防・改善といったメリットがあります。
2. オートミールは消化不良や下痢になるの?
オートミールを食べすぎると食物繊維を摂り過ぎるため、便秘や下痢など体調不良を助長します。
・便秘
オートミールに含まれる食物繊維の大部分は不溶性食物繊維であるため、摂り過ぎると便通よりも便の量を増やす作用の方が強く出てしまいます。
そのため、便が硬く大きくなり排便しづらい便秘の症状を招きます。
・消化不良や下痢
食物繊維を多く含むオートミールは、胃腸を刺激し消化に時間がかかります。
消化に時間がかかるということは、食べたものが体内に長くとどまるため、胃や腸に負担がかかります。
食物繊維を摂り過ぎると、胃や腸にかかる負担が増し、胃腸の機能が低下するため、消化不良や下痢の症状を招きます。
また、オートミールを牛乳と一緒に食べている人は、牛乳が原因の場合も考えられます。
オートミールと一緒に食べる食品にも注意を向けましょう。
オートミールは消化に良くないので、とくに疲れている時や胃腸の調子がすぐれない時などは、食べるのを控えましょう。
3. オートミールの消化に最適なのは、朝・昼・夜、いつ食べるのがいいの?
オートミールは、胃腸が活発に活動する時間帯の朝食か昼食に食べるのがおすすめです。
・胃腸の活動リズム
胃や腸などの消化吸収に関わる臓器の活動は、午前中から徐々に活発になり、お昼過ぎ~夕方にかけてピークとなり、夜にかけてだんだんと活動が低くなります。
食物繊維が豊富なオートミールは消化に時間がかかるので、朝食か昼食に食べるのが良いでしょう。
4. まとめ
オートミールが「消化に悪い」といわれるのは、豊富な食物繊維の働きによってゆっくり消化されるため消化に時間がかかるからです。
ですが、食物繊維は,整腸作用をはじめ、糖尿病・高血圧・動脈硬化など生活習慣病の予防・改善といった健康を維持するための働きを担っています。
オートミールは食物繊維を多く含むため、消化が悪いというデメリットがある一方、整腸作用・生活習慣病の予防・改善といったメリットがあります。
オートミールを食べすぎると食物繊維を摂り過ぎるため、便秘や下痢など体調不良を助長します
1食30gを目安とし、胃腸の調子がすぐれない時などは食べるのを控えましょう。
オートミールの消化に最適な食べるタイミングは、胃腸が活発に活動する時間帯の朝食か昼食がおすすめです。
消化の良い・悪いはひとつの指標であり、消化のスピードが早いか遅いかを示す数値でしかありません。
オートミールは、食べ過ぎない・胃腸の調子がすぐれない時などは控える、といったことに気を付ければ、食べるメリットの大きい食品です。
私自身も朝食でよく食べていて、便通が良くなったりお腹が空きにくくなったりと、メリットが大きいと感じています。
オートミールのメリットを活かせる食べ方を意識し、ご自身の健康にお役立てください‼
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