普段私たちが何気なく飲んでいるお茶って色々な種類があります。
それぞれのお茶は味や価格が違いますが、もとは「同じ葉っぱ」だってことご存じでしたか?
緑茶や紅茶、ウーロン茶などは全て同じ「茶の葉」から作られているんです!
では、お茶はどのようにいろんな種類に変化していくのでしょうか。
それぞれ、どんな違いがあるのでしょうか。
また、どんな効果・効能があるのでしょうか。
今回は、日本人にとても身近なお茶のことを深掘りしてみたいと思います。
緑茶の種類ってこんなにあるんだ!/お茶の種類
お茶は、発酵の度合【不発酵・半発酵・全発酵】の違いで種類が分けられています。
茶葉を摘んで茶を製造する際に、酵素の働きを止めるための加熱処理を行います。
この加熱処理をいつ行うかにより、「不発酵茶」「発酵茶」「半発酵茶」の3つに分類されます。
一般に発酵といえば、味噌やヨーグルトといった微生物の働きによる食品を想像しますよね。
でも、お茶の発酵はそれとは違い、茶葉を揉(も)んでタンニンを酸化させることをいいます。
発酵が進むにしたがって葉緑素が壊され、茶葉は緑色から茶色・褐色へと変化します。
不発酵茶とは
不発酵茶は茶葉を収穫後すぐ、「蒸す」「天日干しにする」などの加熱処理を行い、酸化酵素の働きを止めます。
不発酵茶とは緑茶のこと。
不発酵茶はその名の通り発酵していないので、お茶の色は緑色。
甘みや苦みがほどよく、日本で一番よく飲まれています。
半発酵茶とは
半発酵茶は酸化酵素をある程度働かせて途中でストップさせます。
半発酵茶の代表は、烏龍茶(ウーロン茶)。
優雅な香りが最大の特徴です
発酵した茶葉の香りと渋みが無くて飲みやすいですよね。
全発酵茶とは
全発酵茶は、茶葉を完全に発酵させます。
発酵茶の代表は紅茶。
紅茶は世界で一番飲まれているお茶なんですよ!
世界でお茶といえば、この紅茶が主流になります。
色は赤褐色で緑茶に比べとても香り高いのが特徴。
ちなみに、世界一紅茶を飲む国はトルコだそうです。
イギリスじゃないの!?と思った人もいるのではないでしょうか。
私も、紅茶といえばイギリスのイメージがあったので意外でした。
整理すると、
大きく分けて3種類【不発酵茶の緑茶】【半発酵茶のウーロン茶】【全発酵茶の紅茶】に分けられます。
緑茶・ウーロン茶・紅茶、それぞれの特徴と効果・効能を紹介します。
緑茶の種類ってこんなにあるんだ!/緑茶【不発酵茶】
緑茶は日本茶の総称で加工前の茶葉のことです。
緑茶を原料として色んなお茶が出来上がります。
緑茶の種類
煎茶 | 日光を遮らずに栽培、色が変わらないように酵素を止めて色止めしたお茶です。 |
玉露 | 新芽が開き始めたら20日間程度、茶畑全体を覆うことで、渋み成分のカテキンの生成を防ぎ、甘みと旨味が残される最優良の煎茶です。 |
抹茶 | 碾茶(てんちゃ)を臼でひいたもの。一般的に、湯を加え、茶せんで混ぜて飲みます。 |
ほうじ茶 | 茶葉を強火で炒ったもの。苦味成分であるタンニンが飛ぶので、ほかのお茶に比べて飲みやすく、すっきりとして香ばしい味わいになるのが特徴。子どもからお年寄りまで飲めるお茶として人気があります。 |
玄米茶 | 煎茶やほうじ茶に炒った玄米を混ぜ、香ばしさを引き出したお茶です。玄米茶は香ばしい香りが飲みやすく、海外の方にも大変人気があります。 |
緑茶の効果・効能
緑茶に含まれる「カテキン」は、ポリフェノールの一つで、緑茶の渋味の成分です。
この緑茶の渋味の成分であるカテキンは、発酵によって減少します。
なので、発酵させないで作る緑茶は、他のお茶に比べてカテキンが多く含まれています。
緑茶に含まれているカテキンは強力な抗菌効果を発揮します。
・肥満の抑制効果
カテキン摂取を継続的に摂ることで、代謝が活発になり脂肪がエネルギーとして燃焼しやすくなるため、内臓脂肪を低減させる効果があるとされています。
・体の酸化を予防し、老化を遅らせる効果
緑茶は強力な抗酸化物質であるため、体の酸化を予防し、老化を遅らせる効果があります。
また、肌に直接塗ることによって、肌の老化を防いだり若返らせたりすると報告されています。
その他、抗酸化物質の効果として、がんを抑制すること、大腸がん・乳がん・子宮がん・皮膚がん-前立腺がん・白血病など様々ながん細胞の増殖を抑えるということが報告されています。
・膀胱炎を予防する効果
膀胱炎は特に女性に多い尿路感染症です。
排尿時の板靄不快感が主な症状です。
一度なるとなかなか治りにくい、何度か切り返すとされています。
このような人にも、緑茶は有効だとされます。
膀胱炎の治療は抗生物質投与が標準的な治療になっています。
ですが、緑茶を併用することによって、抗生物質の効果がより効くという研究結果が報告されています。
緑茶の種類ってこんなにあるんだ!/ウーロン茶【半発酵茶】
烏龍茶は発酵を途中で止めた半発酵茶で、深みのある味と香りが特徴的です。
中国で伝統的に飲まれてきたお茶の一種です。
脂肪の吸収を抑える効果や、虫歯を予防する効果などがあり、伝統的に親しまれているお茶です。
ウーロン茶に含まれるの主な成分はとして、カフェイン・ポリフェノール・テアニンがあげられます。
カフェイン:運転中や仕事、勉強に集中しないといけない時には、役に立ちます
ポリフェノール:脂肪分解促進をする効能があります
テアニン(アミノ酸の一種):リラックス効果があります。
ウーロン茶の効果・効能
半発酵の効果で様々な成分がプラスされます。
中でも「烏龍茶ポリフェノール」は、活性酸素を取り除く効能があり、血液中にある脂質を吸収して体外へ排出してくれます。
その結果、血流が良くなり、血行を健康な状況に戻す効果があります。
烏龍茶には体を冷やす作用があるため、冷たい烏龍茶は体を冷やします。
飲みすぎにならないように、一度にたくさん飲むのではなく、何回かに分けて飲む方が良いでしょう。
緑茶の種類ってこんなにあるんだ!/紅茶【全発酵茶】
紅茶には緑茶と違う成分が豊富に含まれており、その効能も多くあります。
一方で、過度な摂取が原因で副作用が起こる可能性もあります。
紅茶の効果・効能
紅茶に含まれている主な成分は、タンニン・カフェイン・テアニンなどが挙げられます。
この3つの成分の含有量と効能について見ていきましょう。
・タンニン
タンニンはポリフェノールの一種で、渋味を感じる成分。
紅茶に含まれているタンニンは、産地によって多少異なりますが、紅茶のおよそ1割~2割程度の成分がタンニンだとされています。
タンニンは、抗がん性・抗酸化性・抗菌性の作用のほか、鉄分の吸収を緩やかにする作用もあるといわれています。
・カフェイン
カフェインの代表格と言えばコーヒーですが、紅茶にも含まれています。
紅茶のカフェインの含有量は、コーヒーと比較すると1/2程度といわれています。
カフェインには利尿効果のほか、脳を興奮させ集中力を維持し、疲労感を軽減させる効果があります。
しかし、取りすぎると、めまいや心拍数の増加、不眠症などの副作用が生じるため、過度な摂取は控えましょう。
・テアニン
テアニンは、たんぱく質に含まれているアミノ酸の一種で、紅茶の甘みを左右しています。
興奮を鎮めて緊張を和らげ、心身をリラックスさせる効果があります。
煎茶と緑茶の違いは?
煎茶は緑茶の一種です。
緑茶の中で現代の日本人が日常に飲んでいる緑茶の代表が煎茶。
日光を遮らずに栽培(露地栽培)し、茶葉を蒸して揉(も)みながら乾燥させたものです。
抹茶と緑茶の違いは?
抹茶は緑茶の仲間です。
一定期間遮光を行って栽培(被覆栽培)し、茶葉を蒸して揉(も)まずに乾燥させ、粉末状に加工したものです。
抹茶は粉末状になっており、茶筅(ちゃせん)でたてて飲んだり、料理やお菓子に混ぜて使ったりするのが一般的です。
以前、私は茶道を習っていたことがあります。
甘い和菓子をいただいた後のお抹茶はとても美味しく、“日本人で良かった”といつも思っていました・・・。
紅茶と緑茶の違いは?
緑茶は茶葉を発酵させないで作られた「不発酵茶」であるのに対し、紅茶は発酵させた「完全発酵茶」である点が大きく違います。
緑茶の茶葉の色にはお茶の葉本来の緑色が濃く保たれ、香りや味わいから「摘みたての茶葉の若々しさやフレッシュ」を感じることができます。
一方、紅茶は、「摘み取った茶葉を萎(しお)れさせて自然発酵させる」という工程が加わります。
数回に分けて酸化・発酵を繰り返した紅茶の茶葉は茶色く、味わいや香りにも深みとコクが加わるのが特徴です。
まとめ
近年日本人は緑茶をあまり飲まなくなりました。
長い伝統を持つ飲み物ではありますが、新たな研究・調査結果は現在でも続々と発表され、緑茶に秘められた健康効果が次々と明らかになっています。
緑茶は、日本人にとって大きな健康パワーなのです!
お茶にはたくさんの種類がありますが、 元々は同じ茶葉からできています。
育て方や仕上げ加工の違いによって、 様々な味や香りのお茶となって私たちの元に届きます。
それぞれお茶を シーンによって飲み分けてみるのも贅沢な楽しみ方ですね!
せっかく茶道の歴史がある日本に生まれたのですから、お茶の時間を大切にしたいものです。
日本は、紅茶も緑茶も品質の良いものが手に入る恵まれた環境といえます。
まずは旬の時期のおいしさを知り、自分好みのお茶を見つけてみませんか。
よい茶葉を選び丁寧にいれ、それぞれの個性を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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