大豆ミートなぜ注目?メリットは何?正しい戻し方と使い方について

最近では、テレビの番組やスーパーなどでもよく見かけるようになった「大豆ミート」。

大豆ミートとは、大豆を原料として味や食感をお肉に似せて作られた食品のことです。

通常の牛や豚の「肉」とは異なり、「代替肉」「フェイクミート」「ソイミート」などとも呼ばれています。

大豆ミートは栄養価が高く低カロリーのため、お腹周りが気になる中高年の方・ダイエットでお肉を我慢している方やアスリート・スポーツ選手の体づくりにも最適な食材です。

元々は、ヴィーガンやベジタリアンの人向けの食品として広まった大豆ミートですが、今では一般の幅広い層から注目されている「大豆ミート」。

ここでは、大豆ミートとはどのような食品なのかをはじめ、大豆ミートのメリット・戻し方と使い方のコツ・おすすめの商品を紹介します。

1.大豆ミートのメリット/大豆ミートとは

大豆ミートとは、大豆を原料とし、お肉の味や食感に似せて作られた加工食品のことです。

油分を絞った大豆に加熱・加圧・高温乾燥させて作られます。

大豆を原料に肉に見立てて作っているため、大豆の肉=「大豆ミート」と呼ばれています。

 

大豆ミートは、お肉(牛や豚、鶏など)の動物性の食材を一切使用しない完全植物性の食材です。

従来は、ベジタリアンやヴィーガンといった菜食主義者向けの食品というイメージでしたが、高たんぱく・低カロリーであることから、近年は健康食として女性や健康志向の高い人からも人気を集めています。

また、健康効果だけでなく、環境問題への意識の高まりにより植物性由来の大豆ミートの需要が増えています。

畜産は環境に負担が大きいことと、世界の人口増加にともなう持続可能な食料の調達が必要なことから、栽培において環境に負担の小さい植物性食品「大豆ミート」が注目されています。

 

2.大豆ミートの種類

市販されている大豆ミートには、水やお湯で戻してから使う「乾燥タイプ」・使い勝手の良い「レトルトタイプ」・「冷凍タイプ」の3種類のタイプがあり、用途に応じた使い分けができるため便利です。

 

また、大豆ミートは形状も「ミンチ」「フィレ」「ブロック」の3種類に分けられます。

それぞれを料理に応じて使い分けることで、より肉に近い見た目・味・食感を楽しむことができます。

 

3.大豆ミートのメリット

大豆ミートのメリット その① 大豆ミートは低カロリー&低脂肪

大豆ミートは、加工の段階で大豆の油分(脂肪)を圧搾して作られるため、脂質の量が少なく低カロリーです。

 

・大豆ミートの成分を牛肉・豚肉・鶏肉と比較してみると

エネルギー タンパク質脂質  食物繊維コレステロール 
大豆ミート  106   15.4   1.0        5.9    0
牛肉   380  13.8 37.4  0 89 
豚肉   237  17.1 19.2  0 69
鶏肉   229  19.5    17.2     0    86  

 ※日本食品標準成分表2020年度(八訂)参照

※数値は100gあたり。牛肉・豚肉は肩ロース脂身付き生、鶏肉はむね肉皮つき生で計算。大豆ミートは湯戻し後約3倍になると仮定して1/3の計算。

 

お肉より断然低カロリー・低脂肪!

大豆ミートのカロリーはお肉の1/2~1/4、脂質は1/10~1/40です。(※肉の種類や部位によって差があります。)

 

大豆ミートのメリット その② 大豆ミートは高たんぱく

大豆の別名は「畑の肉」。

その理由は植物としては異例のたんぱく質の多さにあります。

 

大豆が原料の大豆ミートは、お肉とほぼ変わらない量のタンパク質が含まれています。

しかも、※アミノ酸スコア100!アミノ酸バランスもよい良質なたんぱく質です。 

※「アミノ酸スコア」とは、必須アミノ酸がどの程度バランスよく含まれているかを示す値であり、高いほどバランス が良いといえます。

 

大豆ミートのメリット その③ 大豆ミートはノンコレステロール

大豆のたんぱく質は植物性なのでコレステロールが含まれていません。

なので、大豆が原料の大豆ミートはノンコレステロールです。

 

また、近年の研究において、大豆たんぱく質が血中コレステロール値を低減させることが報告されています。

大豆たんぱく質による生活習慣病の予防・改善効果が期待されることから、今後ますます大豆ミートも注目されることでしょう。

 

大豆ミートのメリット その④ ミートは栄養価が高い

・大豆ミートは食物繊維が豊富

大豆ミートには、お肉に含まれない食物繊維が豊富に含まれています。

 

食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する栄養素。

便通を整えるほか、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの効果があります。

 

現在ではほとんどの日本人に不足している食物繊維は、積極的に摂取したい栄養成分です。

大豆ミートをお肉の代わりに食べることで、動物の肉にはない食物繊維を摂ることができるのも魅力の一つです。

 

・大豆ミートはビタミンとミネラルも豊富

大豆ミートには、糖質の代謝を助けるビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンKに加え、抗酸化物質として知られるビタミンEなど、ビタミン類がたっぷり含まれています。

ビタミン類が不足すると、疲れを感じやすい・唇がかさかさで荒れている・目が乾きやすく、充血する・口内炎ができるなどの症状があらあわれます。

 

また、大豆ミートにはカルシウム・鉄分・カリウムといった体内で必要となるミネラルが豊富に含まれています。

ミネラルが不足すると、 疲れやすくなる・体がむくむ・肌・髪・爪の状態が悪くなるなどの症状があらわれます。

 

ビタミンB1・カルシウムといった不足しやすい栄養素が豊富なのはうれしいですね!

 

・大豆ミートは大豆イソフラボンが豊富

更に、大豆ミートには大豆特有の成分である大豆イソフラボンが含まれています。

大豆イソフラボンは女性ホルモンンに似た作用を持つため、更年期における女性ホルモンの急激な減少による更年期障害や骨粗鬆症などの予防・改善に効果があります。

 

女性にうれしい効果がテンコ盛りですが、もちろん食べすぎには注意してくださいね!

 

実は、大豆イソフラボンは男性の健康にもメリットがあるんです!

前立腺がんは中高年の男性がかかりやすい癌の一つですが、大豆イソフラボンは前立腺がんの予防に役立つといわれています。

国立がん研究センターやWHOが行なった研究では、〝大豆イソフラボンから摂取できる植物性エストロゲンによって前立腺がんリスクを下げられる〟と報告されています。

 

大豆ミートのメリット その⑤ 大豆ミートはグルテンフリー

大豆ミートは基本的にグルテンフリー。

そのため、小麦粉を控えている人でも積極的に取り入れられる食材です。

 

ただし、メーカーにより小麦粉を使用している場合があります。

グルテンフリーを実践されている人は、購入前にパッケージ裏面の原材料欄を確認しくださいね。

 

大豆ミートのメリット その⑥ 精肉より保存しやすい(乾物タイプは長期保存が可能)

大豆ミートには生のタイプと乾燥タイプのものがあります。

 

乾燥タイプの大豆ミートは、常温で約1年間保存ができ、精肉より保存性に優れています。

お湯や水で戻すことで、しっとりとした食感になり美味しく食べることができます。

 

乾燥したタイプの大豆ミートは、常温で保存することができ、家にストックしておくことが可能です。

常備しておけば、災害時の非常食としても重宝しますね!

 

また、レトルトタイプも販売されており、値段は少し割高ですが手戻し不要で長期間の保存が可能なタイプもあります。

 

無印良品やマルコメからも多種類のレトルトタイプがでていますよ!

水戻しや味付け不要でお肉の代わりとして料理にすぐ使うことができるレトルトタイプは便利ですよね!

「大豆ミートってどんなのかな?」と思っている人のお試しにも!

 

大豆ミートのメリット その⑦ 地球環境にやさしい

大豆ミートは水の使用量やメタンガスの排出量が、畜産よりも少なく済むというメリットがあります。

・生産する上でメタンガスの発生量が少ない

近年、問題視されている温室効果ガスの発生源とされている牛のゲップ。

牛の胃袋は4つあり、食べた植物の消化の工程を時間をかけて何度もくり返すことでメタンガスが発生し、ゲップとなって大気中に放出されます。

牛のゲップに含まれているメタンガスには温室効果があり、そのことが地球温暖化の原因だといわれています。

 

一方、大豆栽培は排出される温室効果ガスが少なく、環境への負担が少なくて済みます。

排出量は牛を飼育する場合の1/85とされており、環境への負担を大幅に軽減できるメリットがあります。

 

・家畜より水の使用量が少なくて済む

家畜は食物を育てるより大量の水を必要とします。

大豆栽培の水の消費量は牛を飼育する場合の1/8とされており、水の使用量が少ない大豆ミートの方が水資源を確保でき、環境に優しいといえます。

 

大豆ミートのメリット その⑧ 食の選択肢が増える

大豆ミートは、ベジタリアンの人やヴィーガンの人のタンパク源となります。

今まで、宗教上の理由や体質・嗜好など様々な理由でお肉を食べない人、食べられない人にも食の幅が広がります。

 

大豆ミートのメリット その⑨ 未来のタンパク源になり得る

国際連合は「2050年には世界人口が90億人になる」と予測しています。

人口増に伴う食肉需要の増加による将来のタンパク質不足が心配されています。

 

次世代のタンパク源になり得るのが「大豆ミート」。

大豆ミートの原材料である大豆は「畑の肉」ともいわれています。

お肉とほぼ変わらない量のたんぱく質を含み、ビタミン・ミネラル・食物繊維も摂れる非常に優秀なタンパク源、かつ栄養源です。

 

4.大豆ミート(乾燥タイプ)の使い方

大豆ミート(乾燥タイプ)は、乾燥状態から約3倍にも量が増えます‼

使う量を間違えないようにしてくださいね!

 

大豆ミート(乾燥タイプ)戻し方

料理に使う時は基本的に 「湯戻し→水洗い→水絞り」の作業が必要です。

 

①湯戻し

お鍋にたっぷりの湯を沸かし、大豆ミートを入れ弱火で5分~10分ほど茹でます。

②水で洗う

大豆ミートをザルにあげ、丁寧に水で洗い、ギュッと絞って水を切ります。

水を変えて2〜3回繰り返します。

しっかり洗うことで大豆の独特な臭いが軽減します。

③下味

普段の料理と同じように、下味を付け5分以上馴染ませてからお料理に使います。

 

大豆ミートの形状別(ミンチ・フィレ・ブロック)使い方

・ミンチタイプの大豆ミート

ハンバーグや肉そぼろ、ミートソースなどのひき肉を使う料理におすすめです。

ただ、ひき肉のような粘りが出ないため、ハンバーグや餃子などを作るときは、片栗粉やでんぷんを含む野菜のすりおろしを加えるといいですよ!

 

・フィレ(薄切り)タイプの大豆ミート

炒め物や回鍋肉などの豚肉を使う料理におすすめです。

大豆の匂いや味が気になる場合は、水につけて絞るという作業を数回繰り返すのがポイント!

 

また、片栗粉や小麦粉などを軽くまぶしてから焼くとタレが絡みやすくなり、よりおいしく食べられます。

 

・ブロック(角切り)タイプの大豆ミート

ボリュームがあるので唐揚げや筑前煮、シチュー、酢豚などの料理におすすめです。

水で戻した後に、しっかり絞ってから下味をつけると良く浸み込み、よりおいしく食べられます。

 

大豆ミートをよく使う人は戻した後しっかり絞って小分けにして冷凍するのもおすすめです。

その際、生姜やしょうゆで下味を付けておくと美味しく仕上がります。

冷凍保存はジップロックの袋に入れて約3週間、冷蔵保存は2,3日を目安に食べきってくださいね。

 

まとめ

徐々に認知度が高まっている大豆ミートは、人だけではなく動物や環境にも優しい食品です。

健康面へのメリットだけではなく環境問題や食糧不足を解決する方法のひとつとして注目されています。

とはいえ、まずは大豆ミートの使い方やおいしさを知り、楽しむところから始めていきたいですね!

肉がお好きな方もそうではない方も、メリットがたくさんの大豆ミートを食材の一つとして日々の食卓に取り入れてみませんか。

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