日本人なら主食はやっぱりほっかほかのご飯!
美容・健康・ダイエットのため糖質制限や炭水化物を抜く食事療法が推奨されていますが、それでもやっぱりご飯は食べたい! という人も多いはず。
そんな人には、玄米のように手間がかからず、お米に大麦(もち麦・押し麦)を足して炊くだけで栄養がグンとアップする「麦ご飯」がおすすめ!
便秘解消やダイエット、生活習慣病対策など、さまざまな健康効果があるとして注目されています。
大麦(もち麦・押し麦)は、 食物繊維が大変豊富で、糖質・カロリーが気になる人に特におすすめです。
嚙み応えもあるのでダイエットや美容・健康食として幅広く取り入れられています。
今回は、白米に大麦(もち麦・押し麦)を足して炊く「麦ご飯」の健康・美容・ダイエット効果について紹介します。
1.麦ご飯とは
麦ご飯とは、大麦だけ、あるいはお米に大麦(もち麦・押し麦)を混ぜて炊いたご飯のことです。
お米に大麦(もち麦・押し麦)をプラスして炊くだけで、栄養価がグンとアップします。
美容と健康の味方「麦ご飯」。
今でこそ健康や美容の意識が高い人たちに支持されていますが、ひと昔前までは、白米のかさを増すためや、安価に栄養を補うために食べられていました。
・麦ご飯の由来
日本に大麦が伝わったのは、弥生時代の頃、中国から伝わりました。
奈良時代になると広く栽培されるようになり、お米と一緒に大麦を炊いた麦ご飯もこの頃から食べられるようになったといわれています。
日本では近現代になるまで、都市部以外ではお米だけのご飯は、祝祭時のみに炊かれるものだったそうです。
今でいう赤飯のような位置づけだったんですね。
2.大麦(もち麦・押し麦)の主な栄養成分
・食物繊維
食物繊維にはと水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があり、大麦にはこの両方の食物繊維がバランスよく含まれています。
「不溶性食物繊維」は便のカサを増し、腸のぜん動運動を活発にします。
一方、「水溶性食物繊維」は、腸内細菌のエサとなることで腸内環境を整えます。
腸内環境が整うと、栄養素の消化と吸収・老廃物の排出がスムーズにおこなわれるため、代謝の良い体づくりにつながります。
また、大麦に含まれる水溶性食物繊維の一種である「βグルカン」には、食後の血糖値の上昇を抑制する・悪玉コレステロールを減らす・排便の促進、内臓脂肪の蓄積を抑制する働きがあります。
・タンパク質
タンパク質は、筋肉や骨、内臓、血管や血液、皮膚など、体をつくる要素として欠かせない栄養素です.
免疫にかかわる様々なホルモンも、タンパク質なしにつくることはできません。
大麦は意外にもタンパク質を多く含んでいます。
主食を麦ご飯に変えるだけで、タンパク質を無理なく摂ることできます。
「大麦食べたいけど小麦アレルギーだから……」と麦ご飯をあきらめている人もおられるのでは?
でも、小麦アレルギーはよく聞くけど、大麦アレルギーってあまり聞きませんよね。
それは、小麦のタンパク質と大麦のタンパク質が異なるからです。
小麦のタンパク質は「リアジン」や「グルテニン」と呼ばれる物質です。
この2つのタンパク質が水と一緒にこねられてできるのが「グルテン」です。
一方、大麦のタンパク質は「グルテリン」や「ホルデイン」と呼ばれる物質です。
こねても「グルテン」はほとんどできません。
小麦アレルギーがあるからといって大麦にも反応するとは限らないのです。
また小麦アレルギーと比べて大麦アレルギーの発症頻度は低いといわれています。
※大麦を食べても大丈夫な人と、そうでない人がいます。大麦を食べても大丈夫かどうかは、一度かかりつけ医に相談をしてみると安心です。
・ミネラル
ミネラルは、健康を維持したり、体をつくるのに必要な栄養成分です。
体内ではつくられないため、食べるものから摂らなければなりません。
白米にはほとんど含まれていないミネラルですが、大麦にはマグネシウム・カリウム・亜鉛・鉄などのミネラルが豊富に含まれています。
女性がとくに不足しがち栄養素なので、大麦をプラスして麦ご飯にするだけで手軽に摂れるのは嬉しいですね!
・ビタミン
大麦には、ビタミンB群・ビタミンEなど、美容や健康に欠かせないビタミンが多く含まれています。
ビタミンB群
「代謝ビタミン」とよばれ、私たちが生きるための源であるエネルギーをつくるのに欠かせない栄養素です。
ビタミンB群は体内の代謝を促進する効果があります。
・ビタミンB1
ビタミンB1は、炭水化物(糖質)をエネルギーに変換するために欠かせない栄養素です。
ビタミンは体内で貯蓄できる量が少ないため、不足しやすい栄養素です。
不足すると糖質代謝が円滑にいかないので、疲労感を感じやすくなったり、深刻な場合では手足のしびれなど神経に支障をきたすこともあります。
特に,激しいスポーツをされている人は、大量にエネルギー消費をしているため、ビタミンB1を摂ることで疲労回復にもなります。
・ビタミンB2
ビタミンB2は、皮膚や粘膜、髪、爪などの形成に必要な栄養素です。
「発育のビタミン」ともいわれ発育促進に欠かせない栄養素です。
肌や髪を美しく保つために欠かせないビタミンです!
ビタミンE
大麦には、ビタミンEも豊富に含まれています。
ビタミンEは健康維持や美容サポートに役立つ栄養素です。
強力な抗酸化作用を持ち、体内の脂質を酸化から守ることから「若返りのビタミン」
とも呼ばれています。
今も昔も大麦のビタミンは、日本人の健康を支える大切な栄養素。
大麦は「貧しい食」というイメージがついて白米ばかりを食べるようになった時代には、ビタミン不足による「脚気」という病気にかかる人が多かったようです。
※脚気とはビタミンB1不足で、足のしびれなどの症状がでる病気
毎日の食事からしっかりビタミンを摂ることがとても大切なんですね!
3.麦ご飯の健康・美容・ダイエット効果6選
・血中コレステロールを下げる
大麦に含まれる水溶性食物繊維「β-グルカン」には、血液中の悪玉(LDL)コレステロールを低減する作用があります。
一つは、小腸に分泌される胆汁酸と結びつき、コレステロールの吸収を妨げて体の外に排泄させてくれるから。
もう一つは、大腸の腸内細菌によってつくられた短鎖脂肪酸が、体内に取り込まれると余分なコレステロールの生成を抑制してくれるからです。
すると悪玉コレステロールが減少し動脈硬化の予防につながります。
・食後の血糖値の急上昇を抑制する
大麦に含まれる水溶性食物繊「β-グルカン」は、食べたものをゼリー状に包んで胃から腸へゆっくり移動させる働きがあります。
そのため、消化吸収に時間がかかり、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
・メタボ解消
・食後の血糖値の急上昇を抑えて、脂肪のつきにくい体に!
食事をして血糖値が上昇するとインスリンが分泌されます。
インスリンは血液中の糖をエネルギーとして消費しますが、消費しきれなかった余分な糖は脂肪として蓄積されてしまいます。
大麦に含まれる「βグルカン」は血糖値の急上昇を抑えて、インスリンの過剰な分泌を防いでくれます。
肥満防止には、食後の血糖値を急上昇させないことが大切です!
・満腹感が持続する
大麦を混ぜた麦ご飯は、白ご飯よりも食後の血糖値が上がりにくいことがわかっています。
また、朝食に麦ご飯を食べるとその後の血糖値の上昇を抑えながら、昼食後の血糖上昇まで抑える「セカンドミール効果」が得られます。
麦ご飯は胃や腸の中でゆっくり消化吸収されるため満腹感が持続、間食を抑えられ、食べ過ぎを防げるのもダイエットには嬉しいポイント!
朝食に麦ご飯を取り入れた健康的な「食べるダイエット」をしてみませんか?
・便秘解消・腸内環境を改善する
大麦には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく含まれています。
不溶性食物繊維は便のカサを増し、腸のぜん動運動を活発にしてくれます。
更に、大麦に含まれる水溶性食物繊維「β-グルカン」は、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整え、便秘を解消してくれます。
便秘になると、老廃物が排出されないため体内に蓄積されるため代謝が落ちてしまします。
しかし、便秘が解消されて代謝がアップすると栄養が効率よくエネルギーに変換されるようになります。
更に、脂肪燃焼も効率よく行われるようになり、健康やダイエットにも効果が期待できます。
・免疫【腸管免疫】機能の向上
私たちの体には、外から⼊ってきた病原菌などを排除する仕組み「免疫」が備わっています。
そのひとつに「腸管免疫」というものがあります。
免疫細胞の70%は腸に集まっている!
通常、ウイルスや病原菌などは⼝や⿐から体内へ侵⼊するため、腸までの消化管は常に病原体の危険にさらされています。
病原体から体を守るために、腸管には免疫細胞の約70%が集中しており「腸管免疫」と呼ばれています。
その“サポート役”が腸内細菌。
腸内には細菌がおよそ1000種類、数で言うと100兆個以上も生息しています。
腸内の細菌の集まりが花畑のように見えることから「腸内フローラ(腸内細菌叢)」とも呼ばれています。
「腸内フローラ(腸内細菌叢)」のバランスが保たれていると、免疫力にもよい影響を及ぼします。
大麦に含まれる水溶性食物繊維「β-グルカン」の働きで腸内環境が整い、「腸内フローラ(腸内細菌叢)」のバランスが保たれます。
その結果、腸管免疫の機能が向上し、病気にかかりにくくなります。
腸内環境を良好にすることが、免疫力アップの秘訣なのですね!
※「腸内フローラ(腸内細菌叢)」とは、腸内には約1000種類、数で言うと100兆個を超える腸内細菌が存在しており、この腸内細菌の群生のことです。
4.麦ご飯の炊き方
麦ご飯は大麦の量を自分の好みの配合バランスで炊くことができます。
初めは少なめから、慣れてきたらその日のメニューや気分に合わせて大麦や水分量を変えてみてくださいね。
麦ご飯おすすめ配合量
・飽きずに美味しく食べるなら1.5割麦ご飯!
白米2合といつもの水加減+大麦50gと水100ml
・もっと健康効果を期待するなら3割麦ご飯!
白米2合といつもの水加減+大麦100gと水200ml
・食物繊維をタップリとるなら5割麦ご飯
白米2合といつもの水加減+大麦200gと水400ml
大麦の分量を米カップで計る場合、もち麦50gは約1/3カップ、押麦50gは約2/5カップが目安です。
大麦の量を増やすと食物繊維が多くなるため、お腹がゆるくなったり、逆にお腹が張ったり便秘になったりする場合があります。
様子を見ながら量を加減してくださいね!
麦ご飯は、糖質の吸収をおさえる、コレステロールを低下させる、おなかの調子を整える、といった働きで、毎日の食生活をサポートしてくれます。
麦ご飯はお米に大麦(押し麦・もち麦)を加えて炊くだけなので、手軽に食べられます。
簡単にいつもの食事に大麦の栄養を取り入れられるので、ぜひ試してみてくださいね!
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