最近、「大豆ミート」が話題になっていますね。
大豆ミートとは、大豆を原料に使用し、肉に見立てた加工食品のことです。
健康意識の高まりや食料危機への備え・地球温暖化の抑制などの理由で世界的に注目されています。
日本においても、自然食品のお店やスーパー・コンビニなどで大豆ミートを見かける機会が増えました。
大豆ミートは、お肉を一切使わず肉の食感を楽しめることから、ダイエット中の人や健康意識の高い人に人気があります。
ヘルシーで栄養価が高く、体に良いとされる大豆ミートですが、必ずしも「健康的な食品」とは言えないデメリットも…。
大豆ミートに限らず、どんなものでもメリットとデメリットがあります。
大豆ミートのデメリットもしっかり知って納得してこそ、食べることを楽しめるのではないでしょうか。
今回は体に良いとされる大豆ミートの知っておきたいデメリット、美味しく安全に食べるための選び方を紹介します。
1.大豆ミートのデメリット/大豆ミートとは
大豆ミートとは、大豆を原料とした大豆加工食品のことです。
大豆から油分を抜いて加熱・加圧、高温乾燥させて作られています。
味や食感を肉に似せて作っているため、大豆のお肉=「大豆ミート」と呼ばれています。
大豆ミートは、牛・豚・鶏といった肉に次ぐ「第4の肉」ともいわれ、注目されています。
環境への負荷が肉に比べて小さく、※SDGsへの意識が高まるとともに「大豆ミート」は世界的にも注目されています。
アメリカでは、完全植物肉を提供している「ビヨンドミート」や「インポッシブルフーズ」は、巨大企業に成長を遂げ、動物性食品を利用しない代替肉市場が拡大しつつあります。
今後、大豆ミートは日本でも大きなトレンドになるでしょう。
大豆ミートは原材料が大豆であるため、低カロリーで高たんぱく、ビタミン・ミネラル・食物繊維を含む栄養価の高い食品です。
最近では、加工技術の進化で見た目・味・食感が本物の肉により近くなり、肉好きの人でも満足できる質の高い商品が増えています。
しかし、大豆ミートの商品が増えるにつれ、実はデメリットもあることが分かってきました。
では、大豆ミートのデメリットにも目を向けてみましょう。
※SDGsとはSustainable Development Goalsの頭文字を合わせた言葉で、「持続可能な開発目標」と訳されます。より良い世界を実現するために2030年までに達成を目指す国際目標のことです。
2.大豆ミート7つのデメリット
大豆ミートのデメリット その1:加工度が高いと添加物が多い
加工度合いが高くなるほど、つなぎとなる原料・調味料・保存料といった添加物が加えらます。
大豆ミートの加工品は、日本でも大手食品メーカーを中心に急速に開発が進み、新商品も続々と登場しています。
一般的に売られているハンバーグ・ハム・チキンナゲットなどに加工されている大豆ミートのほとんどは、美味しさや保存性を安定させるため添加物や保存料が多く含まれています。
最近では、無印良品やマルコメなどの大手メーカーが添加物の少ない大豆ミートの開発に成功し、スーパーでも見かけるようになりました。
添加物が気になる人は是非チェックを!
大豆ミートのデメリット その2:遺伝子組み換え大豆が使われていることも多い
大豆ミートの加工品には「遺伝子組み換え大豆」が使われていることも多いです。
遺伝子が組み替えられた食品が、必ずしも体に悪いということではありません。
ですが、遺伝子組み換えは人工的な技術で自然界では存在しないものを作ります。
このようにして作られた食品が安全とは言い切れません。
大豆ミートのデメリット その3:値段が高め
大豆ミートの価格は、肉と同等あるいは、やや高めの設定になっていることが多いです。
理由としては、大豆ミート製品の流通が肉と比べて少ないことや直近の大豆価格の高騰が考えられます。
大豆ミートのデメリット その4:商品によっては塩分・カロリーが高い
商品によっては添加物だけでなく、塩分・カロリーの高いものがあります。
理由としては、大豆は肉と比べてうま味やコクが弱いので、肉の味に近づけるために味付けが濃くつけられたり、油で揚げられたりするからです。
商品によってはお肉のカロリーを超えるものもあります。
ただ、お肉と比べると大豆ミートの方が総じてコレステロールが低くなっているほか、大豆由来の栄養素も豊富に含まれています。
カロリーを気にしている人は、購入の際に商品のパッケージ裏面でカロリーを確認するか、あるいは、味付け加工されているものは避ける方がいいかもしれません。
もしくは、味付けされていない大豆ミートを購入して手作りをすることをおすすめします。
手作りなら、添加物・塩分・カロリーを気にせず、大豆ミートのメリットを十分に生かした一品になりますし、なにより安心して食べられますよね!
大豆ミートのデメリット その5:大豆イソフラボンの摂り過ぎとなってしまう可能性
タンパク質を摂る食材が大豆中心となってしまうため、大豆イソフラボンの摂り過ぎになりやすい。
大豆イソフラボンは、適正量を摂取することで骨粗しょう症の予防・更年期障害の緩和といった良い効果が期待できます。
しかし、極端な過剰摂取は、乳がんや子宮内膜症の発症リスクを高めるといわれています。
どのような食材でも言えることですが、一つの食品を食べ過ぎるのは良くありません。
食べ物は、バランス良く食べるのが最も良く、食事を楽しむコツです。
大豆ミートのデメリットその6:下ごしらえが手間に感じる
大豆ミートの場合は、肉と違い、一旦、茹でる・水に浸すなどの下ごしらえが必要になります。
お肉だとこの工程が必要ないので、手間に感じるかもしれません。
大豆ミートのデメリットその7:畜産業界・食肉業界の市場にダメージ
大豆ミートの市場規模が伸びることによる畜産業界・食肉業界のダメージが考えられます。
今後,代替肉が世界的に普及し、需要が高まれば、それに伴ってお肉の需要が減ります。
そうすると、畜産業に関わる人や、食肉業界で働く人、また精肉店を営む人にも影響してきます。
食肉業界では、大豆ミートの参入も増えており、業界の方向性も変わる傾向にあります。
なので、食肉業界の市場は、大豆ミートや代替肉などの製品に置き換わっていくことでしょう。
食肉業界といっても単に家畜の飼育だけでなく、エサ・建物・流通などに関わる業界も多いため、その影響は大きく広がると予想されます。
3.大豆ミートのデメリット/正しく使えばメリットが多い
一方、大豆ミートにはメリットも多くあります。
大豆ミートのメリットは
- 高たんぱく、低カロリー
- 栄養価が高い(食物繊維やビタミン・ミネラル・大豆イソフラボンなど)
- コレステロールフリー
- 食の選択肢が増える(宗教や食文化に制限されることなく食べられる)
- 環境負荷の低減
これらのメリットは大豆ミートならでは。
いつものお肉から大豆ミートにすることで、生活習慣病の改善やダイエットにも効果が期待できます。
大豆ミートのデメリットを理解した上で取り入れると、大豆ミートのメリットを最大限に得られますよね!
4.大豆ミートはどこで買える?
スーパー
大豆ミートはスーパーでも販売されています。
小さなスーパーにはないかもしれませんが、大型のスーパーなら大豆ミートが売っている可能性が高いです。
イオンや西友においては、大手メーカーの商品だけでなく、プライベートブランド【イオンのトップバリュVegetive(ベジティブ)】【西友のみなさまのお墨付き】の大豆ミート商品が販売されています。
大手メーカーのものだと、【大塚食品のゼロミート】【日本ハムのナチュミート】【マルコメのダイズラボ】【伊東ハムのまるでお肉!大豆ミートシリーズ】といったブランドで大豆ミート商品がでています。
特に、イオンの大豆ミートは品揃えも多いですよ。
・スーパーのどのコーナーに売っている?
「材料としての大豆ミート」と「大豆ミートを使った食品」がありますが、その大豆ミートの種類によって、置いてある場所が違います。
スーパーによって違いますが、下の売り場を探すと大体見つかります。
・食材料としての大豆ミート
- 乾物豆類売り場
- 精肉売り場
・大豆ミートを使った加工食品
- レトルト売り場
- 冷凍品売り場
- 豆腐やおあげなどの売り場
コンビニ
コンビニ大手3社セブン・ファミマ・ローソンでも「大豆ミート」を使った商品が増えています。
ハンバーガーやおにぎり、弁当、総菜など、購入してそのまま食べられる商品が多いです。
セブンイレブンでは、セブンプレミアムからレトルトタイプもの、
ファミリーマートでは、大豆ミートを使用したお弁当、
ローソンでは、かつバーガーやから揚げなど、が販売されています。
無印良品
無印良品では、レトルトタイプのもので、化学調味料・合成着色料・香料不使用といった添加物を極力使わない商品が販売されています。
通販
アマゾン・楽天市場店・Yahoo!ショッピングなどで多種類の大豆ミート商品が購入できます。
ネット通販は、乾燥・レトルトの大豆ミートをはじめ、無添加・オーガニック素材にこだわった大豆ミートなど、自分好みの商品を見つけやすいですよ!
5.大豆ミートのデメリット/気になる安全性と選び方
大豆ミートの選び方 その1:原材料をチェックする
市販の大豆ミートや大豆ミートを使った冷凍・レトルト食品の中には卵や肉エキスなどの動物性原料が含まれている商品もあるので、ヴィーガンの人は注意が必要です。
また、ハンバーグなどの加工食品においては、「無添加」と表示のなされた添加物の少ない商品を選ぶのが安心です。
大豆ミートの選び方 その2:遺伝子組み換えでない大豆商品を選ぶ
遺伝子組み換え技術は、作物が病気になりにくい・収穫量が増えるなどのメリットがありますが、一方でアレルギーなどの健康被害も指摘されているため、「遺伝子組換えでない大豆」を使用している製品をおすすめします。
国内製造のものや有機大豆ミートの場合、そのほとんどは「遺伝子組み換えではない大豆」が使われています。
「遺伝子組み換えでない」と表記があるもの・国内製造のもの・有機大豆ミートを選ぶのが安心です。
大豆ミートの選び方 その3:ヴィーガン認証マークがついた商品を選ぶ
ヴィーガンの人は、肉はもちろん、魚や乳製品なども一切食べることができません。
そのためヴィーガン対応の商品は添加物にも厳しい規定があり、植物性素材しか使っていないので、一般的な加工品よりも安全性が高く安心です。
これらを参考に、安全性の高い大豆ミートを選んでお料理を楽しんでくださいね!
6.まとめ
今後、大豆ミートや植物性由来のお肉が続々と市場に出てくると思いますが、よく商品を選んで購入されることをお勧めします。
大豆ミートはまだまだ開発途上の食材です。
普段の料理に使うすべての肉をいきなり大豆ミートに変えるのではなく、様子を見ながら少しずつ、普段の食材のひとつとして活用していくのがいいと思います。
メリットもデメリットもあることを認識し、なるべく※ホールフードの方が良いという考えをベースに、安全性の高い大豆ミートを選んでお料理を楽しんでくださね!
※ホールフードとは、有機栽培などによる自然食品。無添加食品。食べられる前の加工や精製を行わないか、可能な限りおさえた食品のことです。
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